ゲームのブログ

都内で働く、とあるゲームプロデューサーのブログ

「199X」を読んだのでエロ漫画の市場規模を調べてみた

「199x」というタイトルに釣られて買ってみた

 

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アマゾンの内容紹介を見てみると。

 

ナナとカオル』の甘詰留太が描く1994年大学マンガサークルが舞台の青春おたく物語!マンガ・アニメ・特撮……主人公の純平が出逢ったのは、エロマンガが大好きな女性!?甘詰留太による半自伝的青春ストーリー、第1巻! 2015年4月刊。

 

作者と山本直樹の対談もあったよ。

 

natalie.mu

 

インターネットなき時代のサブカルコミュニティ

 

自分は、アニメとかマンガとかにどっぷりというわけではなかったのだけど、ゲーマーでサブカル属性は高めだったので、懐かしい気持ちで読んだ。

 

199x年、インターネットのない時代。

 

少しでもマニアックな趣味を持つと、中学や高校では、同じ趣味の友達が見つけられないので、雑誌の読者コーナーで手紙でやり取りをして、友人を作ったり、欲しい物を手に入れたりしていた。ヤフオクなんて、もちろんないから。

 

自分は音楽少年だったのだけど、バンドメンバーを探すにも、バンドやろうぜでメンバーを探したりして。ゲーセンだって、1994年にバーチャファイター2が稼働をはじめたころは、情報の入手先は、ゲーセンのノート、ゲーメストパソ通だった。

 

もはや昔話なのでここまで。

 

いまはインターネットで何でも情報が手に入る反面、相対的にインターネット上の情報の価値が下がり、逆説的にリアルな情報の価値(実際に足を運ぶとか、やってみるとか、買ってみるとか)が高くなっているような気がする。

 

情報を集めるためのめんどくささが生む物語(ゲーセンのノートとか)は失われたものの、誰もがインターネットで簡単に情報を得ることができる、つまり、情報格差がなくなったのは素敵なことだなあと思う。

 

失われたドラクエ

 

インターネットで何でも情報が手に入れられるので、昔みたいなドラクエ感はなくなったなーとは思う。スライムを倒して、銅の剣を買ったけど、橋を渡ったら影の騎士にエンカウントして死亡、次はどんな敵が出てくるのだろう、というワクワク感。

 

この作品で言うならば、地方でエロ漫画を極めた気がしていたものの、東京の大学にいったら自分以上にマニアックな人々がいて、さらにコミケの存在を知る、というような、ドラゴンボール的な強さのインフレーションが起きにくいように思える。

 

地方のゲーセンでスト2の最強プレーヤーになっていたものの、東京のゲーセンに足を運んだらまったく勝てない、みたいなことが起こりにくいというか、スタート地点でニコ生で梅原を見て、こりゃ無理だ、勇者やめます、的な展開になってしまう。

 

そういう意味では、今の人たちはインターネットで自分の立ち位置を簡単に相対化できちゃいそうなので、無茶がしにくいというか、「井の中の蛙」になることが許されないのは、ちょっとかわいそうなのかもなーとは思う。

 

前置きが長くなったので調べてみた

 

出版不況と言われて久しいが、今も相変わらず出版不況。週刊少年サンデーの部数が40万部を割り込んでニュースになったのは、記憶に新しい。

 

www.itmedia.co.jp

 

で、調べてみたのだけれど、いまいちデータが拾えない。雑協のサイトで調べてみて、おそらく最大手だと思われる「快楽天」の数字は拾えた。

 

一般社団法人 日本雑誌協会 - JMPAマガジンデータ

 

コミック快楽天 ワニマガジン社 280,000
コミック快楽天ビースト ワニマガジン社 120,000
コミック失楽天 ワニマガジン社 150,000
コミック華漫 ワニマガジン社 65,000

 

ジャンプスクエアと同じくらいの規模感。いまの時代にたいした数字な気がするけど、どうなんでしょ?

 

今度はエロゲー業界の推移も調べてみたいと思います。