中国のパクりゲーム事情。年間売上417億円の「刀塔传奇」を調べてみた③ ~刀塔传奇のゲームシステム
中国のパクりゲーム事情。年間売上417億円の「刀塔传奇」を調べてみた② ~パズドラ、モンストとの売上比較 - ゲームのブログ
↑前回の記事はこちら
日付があいてしまったけれど「刀塔传奇」のゲームシステムについて。
自分は日本語化の早かった「Heroes Charge」をやっていたので、こちらを使って解説します。コードごとコピったゲームだから、内容は同じなので、ご容赦を。
ゲームのコアな部分
基本は戦略系のゲーム。パーティーを作って(見るからにDotaとかLoLっぽい)、強化して、非同期の対人バトルで上位ランキングを目指しましょうというもの。
戦闘画面はこんな感じ。
緑のバーがHPゲージで、黄色のバーがスキルゲージ。攻撃などのアクションを行うとスキルゲージがたまっていって、ゲージがたまるとスキルが使用できる。
白猫プロジェクトとかと同じで、スキルゲージをためたら、あとは、いつ使うかのタイミングゲー。基本はユニットの強さと組み合わせで勝利が決まって、ユーザーが介在できるのはスキルを使うタイミングだけ。
対人戦は完全なオートバトルなので、プレーヤースキルが介在する余地はない。
どんなコンテンツがあるのか?
シングルプレイのコンテンツ(AIとの対戦など) = キャンペーン、時空の裂け目、試練、キャンペーン、遠征
レイドなどの共闘系コンテンツ = キャンペーン(レイド)、古代寺院、外界への扉、戦利品の洞窟
対戦系のコンテンツ = アリーナ(1本勝負)、グランドアリーナ(3本勝負)
シングルプレイのクエスト系のコンテンツ、レイド系のコンテンツでユニットや強化素材を集めて、アリーナで勝っていくのがゲームの目的というわけ。
育成要素
育成周りはどうなっているかというと。
キャラの強さの軸は2つ。★の数と、アイコンの枠の色。
★はソウルストーンというアイテムで獲得できる。規定の数だけソウルストーンを集めると、キャラが獲得でき、さらにソウルストーンを集めると、★の数が増えて昇格することができる。必要な★の数は↓。
★(ユニットの獲得) 10個
★★(★→★★) 30個
★★★(★★→★★★) 50個
★★★★(★★★→★★★★) 100個
★★★★★(★★★★→★★★★★) 150個
ちなみに、入手困難なユニットのソウルストーンだと、1日で3個とか。150個を集めるには、最低50日はプレイする必要があるということだ。
アイコンの枠の色は、武器をユニットに帰属させることで昇格できる。ユニットには6つのスロット枠があり、それぞれのスロットには装備できる武器が決まっている。これを6種類すべて装備すると、昇格できるというわけだ。
色は全部で4色(最終形態までいってないので違うかもしれない)。上位の色だと、昇格も複数段階ある。
白(1段階)
緑(2段階)
青(2段階)
紫(4段階)
6種類の武器×8回=48個の武器、が最低必要というわけだ。1つの武器を作るには、複数の武器と素材が必要な場合もあり、実際のところかなり多くのアイテムが必要。
育成のためにやることが多い。
ゲーム性を否定するような「レイド」の仕組み
しかし、やることが多くても、あまり苦にならない仕組みが入っている。
苦にならないというか、この仕組みは賛否両論あると思うのだけれど、「Heroes Charge」の「レイド」の仕組みは、ほかのゲームとは少し違う。
ゲーム内に「レイドチケット」というアイテムがある。このアイテムを使用すると、バトルをスキップして、結果のリワードだけを獲得することができるのだ。
レイドチケットが10枚あれば、スタミナの許す限りまとめて使用することができる。その場合、ボタンを1回押すだけで、クエスト結果だけずらずらっと表示される。
↓「レイド」のボタンをタップすれば
↓結果だけが表示される。
この仕組み、開発者自身が「バトルつまらないよ」「あきるよ」「どうせつまらないし、あきるんだから、スキップの要素入れといたよ」と言っているように見える。
おそろしい。でも、便利なんだ。
マネタイズは、ガチャではなく、VIP課金
課金は、中国ではよくあるVIP課金の仕組みを採用している。
VIP課金とは、日本ではあまりなじみがないのだけれど、月にいくらかの課金をすると一ヶ月単位で課金の恩恵が得られる、というもの。たとえば、獲得経験値が増えたり、ゴールドが増えたり。
さらに、課金した金額に応じて、VIPレベルが上昇していき、より受けられる恩恵が増えていく、という仕組みになっている。VIPレベル1では獲得経験値が1.2倍だったけど、VIPレベル1ではレベル2だと1.5倍になる、というようなこと。
では、「Heroes Charge」の場合、どうなっているかというと、ゲーム内のステータスなどではなく、より直接的な訴求方法になっている。360円でマンスリーカードを買うと、30日間、毎日、課金JEMを120個もらうことができるのだ。
ちなみに、普通に課金JEMを買うと1200円で1360個。360円で3600個、1200円で1360個、誰がどう考えても前者がお得だ。しかも、ログインボーナスも兼ねているので、ユーザーはお金を出して30日間はログインを続けてくれるというわけだ。
このVIPレベルを積みに積み重ねた一部のユーザーは「神様」と呼ばれ、1人で数百万円課金したりする。
一部のユーザーが高課金することで、ゲームビジネスが成り立っているのは、日本も同じだけれど、日本の場合、収益の9割がガチャというケースが多い。
VIPがいいのか、ガチャがいいのか、一概に何ともいえないのだけれど、一部の高課金のユーザーがゲームビジネスを支えているという構造は、日本も中国も同じっぽい。
また時期を見て詳しくまとめてみたいです。