ゲームのブログ

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「荒木飛呂彦の漫画術」が発売されたので、歴代の「ジョジョの奇妙な冒険」のゲームの販売本数を調べてみた

荒木飛呂彦の漫画術」が、先週の金曜日(2015/04/17)に発売されました。

荒木飛呂彦といえば、言うまでもなく「ジョジョの奇妙な冒険」。その累計発行部数は2014年9月時点で9000万部超という大人気作品。

彼の書く「漫画術」や「映画論」は、クリエイターにはすごく役に立つらしい。世界観の構築の仕方だったり、クリエイター視点での作品の見方だったり、ゲーム作りに役立つノウハウがたくさん詰まっているみたい。

週末にまとめ読みしなくちゃと思いつつ、いったいジョジョのゲームってどれくらい売れてるんだろうと思い立ったので、早速、比較してみたよ。

ファミコンジャンプ 英雄列伝
・1989年
・FC
バンダイ
RPG
・累計110万本

ファミコンジャンプII 最強の7人
・1991年
・FC
バンダイ
RPG
・不明

ジョジョの奇妙な冒険
・1993年
SFC
コブラチーム
RPG
・不明

ジョジョの奇妙な冒険
・1998年
・AC、PS
カプコン
・2D対戦型格闘ゲーム
・累計:約26万本(PS版)

ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産
・1999年
・AC、DC
カプコン
・2D対戦型格闘ゲーム
・不明

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風
・2002年
PS2
カプコン
・3Dアクション
・不明

ジャンプスーパースターズ
・2005年
・DS
任天堂
・対戦アクションゲーム
・累計:549,265本

ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド
・2006年
PS2
バンダイ
・3Dアクションゲーム
・不明

ジャンプアルティメットスターズ
・2006年
・DS
任天堂
・対戦アクションゲーム
・累計:789,445本

ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産 HDVer.
・2012年
Xbox360PS3
カプコン
・2D対戦型格闘ゲーム
・不明
ダウンロード販売専用タイトル。

ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル
・2013年
PS3
バンダイナムコゲームス
・対戦型格闘ゲーム
・累計:45.3万本

ジェイスターズ ビクトリーバーサス
・2014年
PS3PS Vita
バンダイナムコゲームス
・アクションゲーム
・累計:16.8万本

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ
・2014年
AndroidiPhone
バンダイナムコゲームス
・メダルシューティングアクション
・500万DL突破


なんというか、意外と売れてないのね。

ミリオン達成したのは懐かしの「ファミコンジャンプ 英雄列伝」のみ。でも、これ売れるには売れたものの、中古ショップで大量に並んでいたような記憶。

【豪華過ぎるクソゲー】 ファミコンジャンプ英雄列伝 24年ぶりに再挑戦!!(前編)

ちなみに、ジャンプの部数を補足すると、創刊20周年となる1988年の年末最終号(1989年3・4合併号)で公称発行部数が500万部を突破。「ドラゴンボール」や「北斗の拳」が人気で、これらが1990年代のジャンプ黄金期へとつながっていくのであった(ジャンプの歴代最高部数は1994年12月の1995年3-4号で653万部)。

それ以外で売れているものを見ると、目につくのが「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」だけど、これも「課金をしないと快適に遊べないコンテンツ(キャンペーンモード)がゲーム内に存在することを発売前に告知しなかった」(田下広夢)問題で大炎上。

本作は事前予約が好調であり、発売前にメーカー受注本数50万本を達成。実売でも40万本近い初週売上げとなり、出荷の8割近くを初動で消化した。しかし、発売直後から課金コンテンツの問題が発覚し中古市場への売りが殺到、中古の買い取り価格と新品の販売価格が暴落、発売から1ヵ月後のAmazon.co.jpでの通常版新品販売価格は定価の約3割となる2590円の叩き売り状態となった。この問題により発売2週目の売上は大幅に減り、メディアクリエイトの集計では2万本を割った。


そうやって見ると、ビジネス的に一番うまくいっているのがソーシャルゲームの「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」に見えてしまうから、これも時代の趨勢か。ちなみに開発会社はドリコム

ジョジョゲー=バンナム、という印象が近年は強く、それがジョジョゲーに対する不安感にも繋がっている印象がある。ジョジョバンナムでしょ、課金ばんざいー!的な。

かつて「ガンダムに名作なし」という言葉があったけど、バンナムガンダムゲーに対しても、我々は同様の印象を持っていた気がする。それは「ギレンの野望」がリリースされたことで大きく変わったのだけど。

ジョジョゲーは、かつてガンダムゲーが歩いてきた道を、いま歩んでいるのかも知れない。2015年にリリースされる「アイズオブヘブン」に期待を寄せながら、荒木飛呂彦の著書でも紐解いてみようと思うのであった。